第48回日新工業建築設計競技 |
テーマ |
人間の家 |
昨年からのコロナ禍に生きる私たちは、感染拡大防止策・感染予防が最優先となる社会の中で、行動にさまざまな制約がかけられています。 |
生活が管理される中で、その必要性は理解しつつも抑圧状態にあると言えるでしょう。特殊な状況下においては、多様性が削がれ、問われていたはずのさまざまな課題も影を潜めてしまう、忘却という名の淘汰が起きているようにも思います。 |
ル・コルビュジエが著した『人間の家』(1942年発表、F・ド・ピエールフウと共著。鹿島出版会、1977年)では、第二次世界大戦中の疎開先から、ナチスに破壊されたパリの街をいかに再建するかという意欲的な都市計画案が示されました。 |
私たちも、このコロナ禍において、その先にある本質的でポジティブな提案を考え、投げかけることが大切なのではないでしょうか。 |
そこで、今回のテーマを「人間の家」としました。 |
身の回りの設えや、街の理想的なあり方でもよいでしょうし、制度的な提案になるかもしれません。これまでの家の枠組みを大きく超えて、幅広く考えてみてください。 |
みなさんの提案をお待ちしています。 |
「人間の家」を文字通りに捉えてもよいし、それをル・コルビュジエのように都市計画と捉えても、またはさまざまな生き物が同居する生態系のような大きな世界と理解してもよいと思います。それは、われわれの社会が目指すべき未来を予言するものになるかもしれません。自由に考えて、人間の生に相応しい世界を提案してください。― 西沢立衛 |
脱人間中心主義や、ポストヒューマンが囁かれる今日、改めて「人間」を見つめ直すこと。「自然」が一筋縄に理解できないものであるのと同じように、「人間」もまた簡単に理解したり乗り越えたりできない。人間はこの先もずっと魅力的な謎であり続ける。なぜなら僕たちもみんな、人間なのだから。― 平田晃久 |
「人間の家」を考えるには、まず人間とは何か定義しなければならないはずです。ルネサンス人にとっては比例かもしれないし、動物行動学者ならDNAの乗り物と言うかもしれない。地質学者なら最新地質年代の覇者でしょうか。今、この時代を生きる建築家にとって人間とは何か、斬新でかつ共有可能な定義に出会うことを楽しみにしています。― 吉村靖孝 |
地球規模で生活習慣の変更を余儀なくされ、以前の生活には戻れない不可逆性を世界の人びとが実感し始めている。戻れない変化は常に起こっていたはずだが、昨今の状況はそれが世界的に共有されている稀な機会である。人間自体の捉え方や、生活の根源にある考え方に起こる不可逆な変化をもとに、どのような新しさが見出されるのか期待したい。― 羽鳥達也 |
コロナ禍の社会においては、G.アガンベンのいうゾーエー(むき出しの生)とビオス(政治的な生)の対立が先鋭化している。社会が感染症対策のためにゾーエーの管理を求め、ビオスの存在が脅かされるためである。ここでは「人間の巣」や「動物の家」を想像したうえで、これからの「人間の家」を描いてみてほしい。― 藤村龍至 |
新型コロナウイルス感染拡大は私たちの生活を変えてしまっただけでなく、価値観をも変えようとしています。しかし私たちが「住まう」ことについて、もう一度立ち止まって考えるよい機会なのかもしれません。多くの方々にアイデアを出していただき、それが活発な議論に繋がることを期待しています。― 相臺志浩 |
賞金 |
1等[1点]100万円 |
2等[1点]50万円 |
3等[1点]30万円 |
佳作[8点]各10万円 |
総額 260万円/すべて税込 |
スケジュール |
2021年4月1日(木)応募登録開始 |
2021年8月19日(木)作品受付開始 |
2021年10月1日(金)応募登録終了 |
2021年10月5日(火)作品受付終了 |
※結果は入選者に通知いたします |
2021年11月29日(月)表彰式 |
2022年1月『新建築』2022年1月号で発表いたします |
審査委員 |
西沢 立衛(審査委員長) |
平田 晃久 |
吉村 靖孝 |
羽鳥 達也 |
藤村 龍至 |
相臺 志浩 |
主催 |
日新工業株式会社 |
送付先 |
日新工業株式会社「日新工業建築設計競技係」[必ず明記のこと] |
〒120-0025 東京都足立区千住東2-23-4 |
TEL:03-3882-2613 |
※持込み、バイク便は不可。 |
お問合せ |
日新工業建築設計競技事務局 |
03-5244-9335 |
詳細は、主催者のホームページをご確認下さい。 |
※応募の際は、必ず主催者が発行する応募要項をご確認下さい。